「AI」と言われたときに、どのようなものを想像するでしょうか?
映画やアニメ、漫画に出てくる、人と同じように会話をするロボットを思い浮かべるかもしれません。
しかし残念ながら、現在の技術では映画に出てくるような精度の高いロボットはまだ開発されていません。ロボットにとって人と同じように会話をするというのはとても難しいことであるからです。
会話する仕組み
そもそも、現在のAIは言葉の意味を完璧に理解できるわけではありません。あらかじめ質問と回答を結び付けておき、それを表示させているものが大半です。
そのため、回答が結びついていないものには返答ができないといった面があります。
AIと言葉の壁
対話できるAIというのは人類の理想であり、それを作り上げようと、様々なエンジニアがAIの開発に身を乗り出しています。
「言葉」というものは不思議であり、あいまいな表現でも、人であればボディランゲージや表情、声のトーンといった、「なんとなく」が含まれるもので会話が成立します。
ですがコンピューターとなるとそうはいきません。コンピューターは明確にルール付けされていないことを理解することが困難であり、プログラムや元となるデータがなければ、動けないからです。
そのため、これまでにAIブームが度々訪れても、言語という分野はなかなか発展せずにいました。
第三次AIブーム
現在、第三次AIブームと言われています。
その一役買っているのが、デミス・ハサビス氏。Google社が750憶円もの大金をかけて手にした人物です。デミス氏はこれまでに数々の人工知能を開発しています。特に、言葉の問題を解決するとされている「ディープラーニング」という分野の発展には、このデミス氏の活躍は外せないでしょう。
彼は様々なゲームにおいて、簡単な指示を与えるだけで、自ら学習し高得点を得る、人工知能DQN(Deep Q-Network)を生み出しました。
自ら学習するというのは、人の脳に似通っており、人々が考える「人工知能」の姿であると言えます。
学習するAI
AIは学習します。
人も学習することで様々なことができるようになります。初めはわからなかったことでも、繰り返し行うことでやり方を学びます。しかし、やり方を学んだとしても、人では百パーセント成功させることは困難です。
それを、機械であれば百パーセント成功するやり方さえも、膨大なデータから探し出し見つけてしまうのですから、これを有能ととらえるか、恐ろしいととらえるか、判断は分かれてくるかと思います。
近年では、AIが執筆した小説が一次審査を通過、AIがプロ囲碁棋士に勝つなど、多くの分野でニュースとなり、世間を期待と不安に包み込んでいます。
人と同じような機能を持った機械は、今後どうなっていくのでしょうか?
コミュニケーションが可能に
現在のAIの開発においては「言語」に注目が集まっています。機械が学習を行うようになったことで、言葉の壁は壊されつつあるからです。意味を学び、知らない言葉は覚えていく、といったことが可能になっているからです。
そして言葉の意味を理解したAIは、私たちの生活に欠かせないものになっていくはずです。
現在にも、siriといったデジタルパートナーが誕生していますが、さらに人工知能が進化をし、スムーズな対話が可能となったとき、私たちのそばにはモバイルアシスタントが常にいるようになり、生活はさらに大きく変わるでしょう。