Siriを超えろ
Hey, Siri.
誰もが1度は使用したことがあるiPhoneの1機能。
人の声に正確に反応して、一瞬でユーザーの質問に答えることができるとても優秀な機能である。
ところでSiriは、SRIインターナショナル(以後SRIと表記)という企業からスピンアウトしたベンチャー企業によって開発されている。
SRIとは、スタンフォード大学から地域の経済発展を支援する目的から設置された、非営利組織の研究機関である。
そんなSRIで働くWilliam Mark氏は、
”もしあなたが「定期預金から当座預金に100万円を振り込んで」とお願いしたら、Siriは「振り込み」についてサイト上で検索するだろう。これはSiriに対する批判ではなく、ただSiriは銀行の取引に関して無知なだけだ。”
と言っている。
Siriでは専門的な会話をすることができない。
すべてを少しずつ知っているもの(Siri)ではなく、1つをたくさん知っているものに注力するべきだと、SRIの方針は変化してきた。
例えば銀行の専門的な知識をつけたチャットボット「Kasisto」が作られたのもこのような背景があったのだ。以前弊社ブログで詳しく説明しているので、気になる方はチェックしてみてほしい。
次世代音声認識AI「Viv」
Siriの生みの親である、Dag Kittlaus氏は最近、「Viv」という次世代音声認識AIのデモをニューヨークとウイーンで披露している。
2011年にSiriがこの世に現れてから3年後の2014年にDag氏は仲間3人を率いて「Viv」の作成に取り掛かった。
彼らはSiriでは不可能な、
・複雑な会話の理解
・ユーザーのために何かをする
以上の2つの機能を追加するために尽力していた。
2014年の時点で彼らは「Viv」がどのようなサービスになるか予想している。そのうちの一つの機能が、フライト予約を「Viv」のみを通じて行うことである。
2016年、ニューヨークとウイーンで行われたデモの様子はTechCrunchで紹介されているが、簡単に要約すると、「Viv」ができることをいくつか説明している。
例えば、
「友人に昨夜の飲み代20ドルを返してくれ」と語りかけ、「20ドル送る」をタップするとアプリが勝手に支払えるようになっている。
他にも、
「明後日の午後5時以降、〇〇駅の近くは20度よりも熱くなる?」と語りかければ、Siriのようにただ天気予報を表示するだけではなく、「いいえ、その日の5時以降は20度を超えることはありません」と返す。
このように複雑な会話にも対応しているのだ。
そしてウイーンでは下記の通りフライト予約のデモを披露している。
有言実行して見せたのだ。 Hey, Siriという人がいなくなるのもそう遠い未来ではないかもしれない。