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百度(Baidu)発、簡易な診断を代行してくれる"Melody"

ふとした時に風邪をひいてしまい、会社を休んでいざ病院に向かったはいいが、とんでもない混雑で、診察までに2時間も待たされてしまった、なんてことはないだろうか?

筆者も久々に訪れた病院で、診察システムが変わっていたりで、簡単な診察にたどり着くまでに相当長い時間を要した経験がある。体調も悪い状態でそんなことは避けたいものだ。

 

そんな折、2015年に中国検索エンジン開発の大手、百度(Baidu)は医療サービス向けチャットボットの"Melody"と言われるものを開発していた。これは上記のような状況を改善に導くためにデザイン、開発されたチャットボットだ。

こちらのチャットボットは現在、モバイルアプリ上で動作するものとなっているが、BaiduのSilicon Valley Research center、Cheif ScientistのAndrew NgはThe Verg誌に対して、「いずれはFacebook MessengerやWechatのような他社メッセンジャーアプリ上でも利用できるようにしたい」と語っている。

 

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どうやって医療現場を助けるのか?

Melodyの仕事は至ってシンプルで、

  • 医者へコンタクトを取る前の一次対応

  • 簡単な診察

  • 診察の予約

の3つが主となる。

Ng氏は、

「彼女の仕事で最も重要なのは、会話を通して、医者が本来1から見なければならなかった患者に関するあらゆる情報を整理し、簡易な物はより効率的に得ることができる手助けをすることだ。」と語っている。

「医者の役割が変わるわけではない。ただ、情報を彼女自身で集め、それを提案することによって、より良い医療を多くの人に届けられるようにするだけだ。」

 

彼女の仕組みは、Baidu社が長年投資してきた、Deep Learning技術と自然言語処理技術によって成り立っている。

さらに同社はこれまでのサービスを通した、中国の膨大な市場でのチャネルとそれにまつわるデータを所有しており、AIとしての精度向上に貢献している。

 

イギリスやアメリカでも、your.mdbabylon Healthといった、同種のサービスが展開してきている。それらも同じような質問をしたり、患者に同じような結果を届けることはできるが、そう言ったサービスがスムーズに国のインフラ的サービスの一つとして入っていけるかは、また別問題だ

例えば、導入を考える上での障害の一つとして、

「そこで得られる情報は誰のもので、どこまで公開されるべきなのか」や、

「どんな制限をどこにもうけるべきなのか?」

などがある。

しかし昨今のUberやAirbnbの台頭を見ていると、経済的な事情に押されて、なし崩し的に半ば強制で導入されて行ってしまうかもしれない可能性も拭えない。

 

BaiduはMelodyだけに限らずあらゆる新しいテクノロジーやそれに付随するサービスが人間の仕事にただ置きかわり、奪ってしまうわけではないことを主張している。

例えば、自動車が出現した時、馬車を扱っていたビジネスは縮小したのかもしれないが、タクシードライバーという新たな仕事を創出した。

しかし、医療の領域においては、なかなか前例のないことで、慎重に進捗を見守らなければならないとも話している。

 

医療の世界では人材不足が嘆かれて久しい。

日本でも、業務が激務で休む暇がない、であったり、そもそも人手が足りない、といった類のニュースはしばしば耳にする。

そんな状況にメスを入れ、医者/患者双方に対するWIn-Winを創出してくれるのがこのようなボットになるのかもしれない。