チャットボットサービスの現状と今後について

ここ最近、チャットボット関連の話題が多く取り上げられています。

チャットボットは、LineやFacebook messengerのようなチャット上でプログラムが人間の問いかけに対し自動返答するシステムです。

ascii.jp

jp.techcrunch.com

 この業界の現状がどうなっているかを知りたいと思い、調べて簡単にまとめてみました。

チャットボットサービスの現状

チャットボットサービスを提供するスタートアップは海外で多く見つけられる。

Lukaは、Yelp、食べログのチャットボット版みたいなもので自分の好みをチャットでボットに伝えると、お勧めのレストランを紹介してくれ、気に入れば予約もチャットで受け付けている。

 f:id:IPQuest:20160411161606p:plain

このサービスがすごいのは、人間のフリーフォーマットの問いかけに対し相応程度適切に返答を返すことだ。下記のチャット内容でわかるように、私は自分の言葉でキーボードを使って会話をしている。それに対して、さも人間が返すかのようにボットFoodieが返答している。

f:id:IPQuest:20160411163254p:plain

もちろん、Foodieは、グルメの問い合わせにしか対応できないし、たまに変な返答をすることもあるが、概ね会話が成立するのはそこそこすごいと感じさせる。

 

逆に言うと大半のサービスは、このような自然言語を正しく理解して返答するようにはなっていない。

例えば Assistは、SlackやFacebook Messenger上で動くBotで、ホテルからタクシー、花屋まで様々な情報を教えてくれるボットだ。

f:id:IPQuest:20160411165138p:plain

ただ、選択肢が表示され(1. Get a ride, 2. Food delivery...など)、番号を指定しながら進めていくことが多く、フリーフォーマットのテキストになると、単語で言わないと理解してくれないことが多い。

Assistに限らず多くのサービスは、まだ会話がチャット上でできているとは言いづらいのが現状だと思う。

世間がチャットボットに期待し熱くなっているのは、「ボットがユーザーのフリーフォーマットで書かれたテキストの要求を理解し、人間が返答するかのように的確に返答する」ことなので、そこにはまだ技術的な壁があるのが現状であろう。

大手プラットフォーマーのAPI公開

前述したLineのAPI公開に限らず、FacebookやGoogleも公開しようとしているというニュースが流れている。

彼らは皆、次のUIがチャットをベースとしたものになり、ユーザーはチャットを起点にして様々な行動を行うようになると考えている。

従って、皆競ってAPIを公開するだろうし、恐らく「このプラットフォームでチャットボット作ったら他より簡単に・精度が高いものが作れる」と言ったサードパーティー開発者に対するメリットを競い合うんではないかと思う。

こういう大手のプラットフォーマが作る環境整備とボットを作るサードパーティーの技術向上でボットとユーザーの会話がスムーズになり始めると、ユーザーが大きくチャットに流れ始めて、チャットボットが大きなムーブメントになることが想定される。

この分野におけるビジネスチャンス

仮に近い将来、ユーザーが行動するプラットフォームがSNSやWebの検索エンジンからチャットに変わるとするならば、当然多くの新しいサービスができるわけで、ビジネスチャンスも大きい。

とはいえ、勝ち残るのは「他社にないデータを持つ」か「他社にないAIの技術を持つ」どちらかの企業だと思う。

Microsoftが中国で開発しているチャットボットXiaoIceは、4000万人のユーザーを持ってるらしいが、このボットは、ユーザーの問いかけに対する適切な回答を中国のSNSに投稿される発言から選んでいる(The dark side of the coming chatbot revolution | Computerworld)。

膨大なSNSの情報を使えるとそれだけでかなり精度の良い会話ができることは間違いない。

一方で、前述のLukaのように、情報源は、YelpやTripadvisorだったりと公開情報なのだが、技術力で他にはできない会話を実現させる方法もある。

ところで、GoogleやFacebookが全てを握ってしまい、小さなスタートアップは潰されてしまうんじゃないかというようなことも考えられる。

しかしながら、私自身は今のところそのような流れにははならないんではないかと思っている。

1つは、人間のありとあらゆるジャンルの要求に適切に返すボットができるのは遥か先だと思うこと、となれば、恐らくユーザーは、自分の要求に合わせた特化されたボットを選んで使うという形になる。

例えば現在、Amazonがいて楽天モールが存在するECの分野でこれだけ多くのECサイトがあるのは、各分野に特化していることがユーザーに支持されるということであり、これはボットの世界でも同様の可能性があると思う。

もちろん、そもそもチャットボットの世界が夢物語で終わってしまう可能性もあるが、スタートアップとは得てしてそもそも分からない世界に飛び込むのが常である。